異色の名古屋ガイド本

村上春樹氏の「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」は、名古屋を紹介しているガイド本を選ぶとしたら、この本は外せないかもしれない、という一冊です。

少なくとも村上春樹に多少なりとも興味がある方にとっては、ですが。

独創的な名古屋の分析

500ページの分量の中で、名古屋のパートは120ページほどですが、十分楽しめました。

村上春樹による、独創的な名古屋の分析は、名古屋人の自分でも、なるほど、とうなずかされます。

「地球のはぐれ方」は、おそらく、もっとも秀逸な名古屋ガイド本の一つかもしれません。

「多崎つくる」との関連

また、2013年発表の長編作品「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」への影響も、本書の中に見て取れます。

例えば、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」では、名古屋は「コナン・ドイルの『失われた世界』みたい」だと、作中人物にも言わせています。

それと同じことが、本書「地球のはぐれ方」にもかかれています。

本書「地球のはぐれ方」が出版された2008年頃には、すでに名古屋を舞台にした小説の構想があったのかもしれません。

書籍情報

【詳細】
東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫) (日本語) 文庫
著者:村上 春樹
出版社: 文藝春秋 (2008/5/9)

名物喫茶「マウンテン」も登場

ところで、東京するめクラブの隊員は、名古屋市昭和区にある、あの名物喫茶のマウンテンのメニュー「甘口抹茶小倉スパ」にも挑戦したようです。

村上春樹と「マウンテン」という取り合わせは斬新です。

ちなみに、管理人も「マウンテン」には一度行ったことがあります。
そのメニューには、かなりびっくりしました。

大学生くらいの方なら、一度挑戦してみると、話のネタになるかも?

名古屋めしブームの発端?

現在は、全国的に「名古屋めし」や名古屋グルメが有名になっています。

しかし、「東京するめクラブ」の隊員たちが名古屋に取材に訪れた頃は、現在ほどは全国的な情報発信がされていなかった、とのことです。

したがって、本書が出版された頃と比べると、時代が本書に追いついたためか、内容的にそれほど驚くようなことはないかもしれません。

「名古屋めし」ブームの発端が、この「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」にあった可能性もあります。