尾張藩の時代に焦点を当てる

名古屋の歴史といっても、古くは石器時代や縄文時代にさかのぼります。
本書「尾張なごや傑物伝―宗春がいた、朝日文左衛門がいた」は、尾張藩が治めていた江戸時代に焦点を当てています。

徳川宗春の紹介も

尾張なごや傑物伝の中でも、徳川宗春の名前は書かせません。
本書では、徳川宗春という全体像を掴みにくい人物についても上手くまとまっていて、名古屋の歴史を知るためのおすすめ本のひとつです。

書籍情報

陰に隠れがちな尾張藩の歴史

一般的には、名古屋の歴史と言うと、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった三英傑や、前田利家、加藤清正といった部下達のイメージが強くあるような気がします。

尾張藩の時代は、その派手な武将たちの影に隠れがちですが、「尾張なごや傑物伝」はその時代から魅力を上手く引き出しています。

徳川宗春、朝日文左衛門、名古屋城、清洲

具体的には、現代の名古屋の街の基礎を創ったともいわれる尾張藩7代藩主・徳川宗春と、「鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)」という元禄期の貴重な記録を書き記した朝日文左衛門の二人に、木曽ヒノキや狩野派の絵師など名古屋城をめぐるエピソード、名古屋の前身都市であった清洲の歴史をピックアップしています。

読書感想

長い名古屋の歴史のほんの200年間あまりにスポットを当てただけで、これだけ濃密で興味深いエピソードが出てくることに驚きを感じます。

享保の改革と呼ばれる緊縮政策を推進した徳川吉宗に対抗し尾張藩に繁栄をもたらした徳川宗春については、大河ドラマ化を願う声も多くあり、宗春ロマン隊という活動もあります。

というわけで、「尾張なごや傑物伝」は、一般的にはあまり知られていない尾張名古屋の素顔を知るための、おすすめの入門書といえます。